廃プリント基板の再資源化スキーム拡大
廃プリント基板の再資源化スキーム拡大
使用済み家電や電子機器から回収される廃プリント基板を対象とした再資源化の取り組みが、国内外で急速に拡大しています。
これまで廃棄物として処理されてきた基板には、金・銀・銅・パラジウムなどの貴金属が多く含まれており、これらを回収・再利用する技術が年々進化しています。
従来は手作業中心だった分離工程も、近年ではAIを活用した自動選別システムや高効率な精錬プロセスの導入により、より高い回収率と環境負荷の低減が実現。
資源の再生利用が経済的にも採算の取れる事業として定着しつつあります。
さらに、自治体や企業間での連携も進み、小型家電リサイクル法を活用した回収ネットワークの拡充が進展。
家庭や工場から排出される電子基板を効率的に集約し、リサイクル資源としての流通が活発化しています。
回収された金属は国内の製錬所で再加工され、再び電子部品や半導体材料として市場に戻ることで、資源の「完全循環」が実現。
CO₂削減や天然資源の採掘抑制にもつながり、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に大きく貢献しています。
今後は、より一層の技術革新と国際的な連携が求められ、再資源化事業は環境保全と産業成長を両立する重要な分野として注目を集め続けるでしょう。
